お腹の下の方、お臍の下ぐらいにたまごがある。
しっかり立つために周りにキュッと支えられている。
たまごが傾くとカラダが傾く。たまごがぶるぶるっと震えるとその振動は全身につながる。
たまごの後ろには一本の背骨があってたまごの動きを敏感に感じとる。骨は肉の中に浮かんでいる。
手のひらを広げて四肢を伸ばせば大きな木に。四肢も背骨も丸めれば、小さな石に。
空の温度と、土の温度を、肌で感じて、風の滑らかさと、土のざらつきを、肌で味わう。
たまごをしっかり抱きかかえていれば大丈夫。
あとは呼吸に合わせて伸びて縮んでを繰り返す。
たまごと背骨、その上にふんわり頭を乗せて、それ以外は全てだらんと心地よく。
肉の重さで肩はどんどん落ちていき、鎖骨は横へ横へと広がっていく。
右の肩甲骨と左の肩甲骨の間はどんどん広くなる。
空気に線を描くように、やわらかな大地にそっと触れるように手足を伸ばせば大丈夫。
風に吹かれ、風の中に切り込んで、風とともに周り、風とともに止まる。
どう動いているかではなく
動いたからだがどう感じたか
動くことで感じること。
動くことでしか感じられないこと。
果てしない、果てのない、旅。
どこにいても続けていける。