ぽとりと落ちてきた。
いや、落ちていたのかもしれない。
ぽとり。とそれはそこにあった。
触ってみると、ちょうどの温度。冷たくもなく温かくもなく。
つるっとして、すべっとして、吸い付くような触感。
片方の手のひらのくぼみに収まるぐらいの大きさで、乳白色のような色合いに、縦にいくつもの筋が所々入っている。そして軽い。
大事なものだと一目でわかった。
どこから落ちてきたのか、最初はわからなかったけれど、よくよく見渡してみるとここからだというのがわかった。
最初の直感はあっていた。とてもとても大事なものだった。
よしと思って握りこむ。
触れた感覚はきっとずっと忘れず覚えている。
大丈夫と思えること、そう思わさせてもらっていること。
どれだけ言っても足りない。足りないよ。