お腹の下に、大きな種を抱えている。
そこから一本すっと茎が伸びて、教えられてもいないのに重力に対抗しながら上へ上へと伸びていく。
普通の植物となんだか違うのは、一本の茎以外の枝は伸びるけれど、トロンと下へ落ちていく。
伸びるけれど重力に抵抗しない。でも自らの意思でどの角度へも伸びていける。
うまく流れを使い、うまく空気を取り込み、ふわり、ヒュッと変幻自在。
根っこは地面に向かって進んで行く。種を持ち上げるためにあるのではなく、伸びることで種を浮かばせている。時に強く、時に柔らかく。まっすぐになったり、曲がったりしながら、大事に種を支えていく。
種が動くとくっついて全体が動く。
風に吹かれたり、その場にいようとしたりする。
今、何が起こっているかを、落ち着いて見渡すこと。
そうすれば、自然に動ける。
動くこと。動かすこと。動かされること。
まだまだ、浅すぎることを頭の隅に。もっと深くを探っていく。