浮かぶ骨

そのまわりの質感で

音は変わる。

 

個体と液体はその速度や物質が変化することで身体の形状を変えていく。

骨は方位磁石みたいに少し浮かんでその先を指している。

 

北と南は上と下。

東と西は左と右。

そんな風に骨は引っ張られたり、引き寄せられたりする。

 

暑い国を旅しているのかもしれない。

寒い国を旅しているのかもしれない。

凍てつく氷のパリパリ割りながらかもしれないし、

湿地帯の中を探りながら歩いているのかもしれない。

 

ドクンドクンと1分なれば、ぐるっと身体を一回りするんだって。

もっともっと時間がかかるものだと思っていた。

私が作る速度と、実際の速度との間には大きな差があって、

これ以上速くは無理だよと思っていたけれど

実際私の身体は想像をはるかに超えた早さで動いている。

 

骨は磁石

肉は場所

思考は外に

 

動く種はカラダの外に転がっている。