ものを食べる時、いろんな人の顔が見えてくるっていうのはとても幸せだなと思って口を動かす。
一人ご飯を作って食べる時、できるだけ余すところなく全部食べたいと思って作っている。
小さい頃にかけられた言葉を「本当にそうなんだな」と、この歳になってご飯と一緒に嚙みしめる。
動く口を捉えながら、全然関係ないことが思い浮かんでくる。
体を動かしながら、違うものが見えてくる。
存在するけど、その時、その場所には実在しないもの。
鏡に映った自分を見るのではなく、からだの動きを捉えて姿を見る。
動きに引っ張られるではなく、しっかりと動いていく。
他人事のからだとして見るのではなく、自分のからだが起こすことを自分事として捉えていく。
落ち着くこと。冷静でいること。
瞬間沸騰するみたいに、ぐわっと頭に血がのぼるの瞬間「また来た」と思って、息をし続けること。
瞬間的に予測して捉えるより前に動いてしまうと見間違える。
きちんと落ち着いて捉えること。
捉えて動く。慌てず冷静に。