はじめてそのケモノに出会ったのは、暗い暗いなんだかよくわからないものに埋め尽くされた中に、ぽっかり空いた白い空白を見つけた時だった。

 

「空白にはケモノがいるんだ。」

 

その出会いからここまで、そろそろ長い付き合いになっている。

気がつけば、なくてはならないものになりつつある今。

いつも漠然と思っていて、でもそうなんだと確信をもってしまっていることを、一つずつ開いてたたんで、あるべきところにしまっていこうと思う。

 

「空白のケモノ」とは?

 

 

 

 

 

 

 

 

この空白を埋める言葉を、この場所で探していく。

 

満ち満ちと満たされているはずと思っていた場所で出会った一匹のケモノ。

それらは、一匹ではなく無数に存在していて、私の周りを埋め尽くし、私はそれらによってかたちづくられているけれど、実は、本当は、存在しているのは私ではなくケモノ達の方なのかもしれないということ。

見えている世界はほんの一部で、ほとんどが見えない世界の出来事であるということ。

そして、見えない世界は確実に存在しているということ。

これは物理的な問題で見えないも含めての話。

でもそれだけではない。

見えない世界で見えないものは存在しているということ。

空白のケモノは存在している。

 

という、極極私的な考えを言葉にしていこうと思う。

 

空白のケモノの存在を、動くことで証明していく。

動く源。踊る源。生きる源。

見えている。知っている。感じている。その反対側。